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2006年1月31日 (火)

ドイツプロダクト

Topbg01 「有頂天ホテル」を見に行って、そちらの感想もちらほら書きたいのですが、昨日の森美があるので、本日はそちらを。

 森美術館では今、ドイツに焦点を当てた展覧会を2つ開催しています。まず一つ目が「東京-ベルリン展」。日本美術とドイツ美術を織り交ぜながら、とりわけ東京とベルリンに重きをおいて、様々な絵画や美術品を見せています。だいたい、時代ごとの感じでいくつかのセクションに分けて置いていますが……。総評すると、久々に森美術館らしい展覧会でした。これだけ集めるには、金やらスペースやらいろいろかかるぞ、みたいな。

 それ故、展覧会自体は長めです。いつもとスペースはもちろん変わりませんが、作品が多めに敷き詰めてあるので、それぞれを考えながらじっくり見ると、案外時間がかかりました。……けれど、平日だからか、ハピネスなどのように派手な大きい形ではないからか、人は少なめでゆっくり見ることが出来たので、だるさはありません。

 感想としては、なかなかに面白かったです。特にドイツ側の作品。個人的に好きな形態の絵が多かったからかもしれませんが、企画としては面白い展覧会だったと思います。人が少ないのがもったいないくらい。

 では個人的おススメを軽くご紹介。エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナの「ポツダム広場」などを初めとして、エルンストの色づかい、明暗のつけ方、形の作り方はとても感覚を刺激します。そしてフランツ・マルクの版画はすごく良いです。モノ自体は小さいので、一見見過ごされがちですが、最高です。……久々に巧い版画だと思いました。もちろん油彩も良かったですが。また、ヴァシリー・カンディンスキーの新聞調のような作品は、もはや現代美術。好奇心が沸く作品でした。

 次に、普門 暁の色使いはかなりシビれました。うーん、ちょっと立ち止まる時間が長かったですね……この方。あと、雑貨というかバウハウスの流れで、イスやそういった類も飾ってあったのですが、これまた良いモノがありました。ブルーノタウトの木製伸縮自在本立て。いや、これ今欲しいんですけど……マジで。今コレを、アクリルとかで作れば、絶対売れます。木製含めて、カラーバリエを出して欲しい……絶対買うんで。あとは同じくでっかいレター入れ。そしてその流れのデッサンも良かったです。

 日本人のが少ないと思われそうですが、結構たくさんありました。ただ、僕の好みでなかっただけで。でも好きだったのもあります。中村研一の飛行機が墜落させられている絵。コレ、大きくて、若干上のほうに飾られています。多分、自然と見上げた感じを出すためですね。実際に、空を見て、飛行機を眺めているよう……良い作品でした。そして、岡本太郎。「重工業」という作品でしたが、彼が評価高いのがよくわかります。つい、立ち止まってしまう強さがある。……で、誰かと思ったら、岡本って具合。色使いとか、日本人でありながら、日本人で無いです彼。実際、見ればそう感じると思います、特に今回のような海外モノとの入り混じった流れだと。

 また、横尾忠則も、良くも悪くも存在感はありました。まぁ、あんまり好みませんけれど。ドイツ勢に戻り、フランツ・アッカーマンは現代ドイツ的な匂いが結構しました。好きな人はツボかと。そして、ラストのほうで驚いたのが、誰かは忘れましたが、フィルハーモニーの全体を、でっかい写真で撮ってつなげた作品。最高に、面白いです。そういえば、写真モノもたくさん展示されていましたね……。それも悪くありませんでした。

 長くなりましたが、おススメはこの程度。けれど、他のもどれもそれなりに良かったです。思いのほか、多くのジャンルに広がってモノがあるので、何かしら気に入るのがあると思います。

Main さて、もう一つの展覧会は「ドイツデザイン展」。いやー、こちらは、フツーに欲しいものが溢れていました。はっきり言って、雑貨好きでないと全く楽しめませんけど。雑貨好きなら、なかなか頷ける内容。……欲を言えば、もっと置いて欲しいモノは当然まだまだありましたけどね。

 カンティレバーチェアをはじめとしたイス、それに伴いテーブル、キッチンクロックにライトの数々。コーヒーメーカーから本、灰皿やペン、ポスターやカトラリーに至るまで、まぁまぁの品ぞろい。とりあえず、見るだけでも楽しいです、といより欲しいです。

 一番欲しかったのは、ベンツの特集もあったのですがそこにあった、ベンツ車の4分の1とかの、いわゆるモックアップ。すっげぇ、欲しいです。いや、何に使うのでもありませんけど……。

 ところでドイツプロダクトについては持論があります。ときに、「ドイツプロダクトは洗練されすぎて個性が薄くてつまらない。」なんて言われたりするのですが、その判断は一理ありつつ、どうかなとも思います。モノには大きく2種類あると思います。「そのものが強い個性を持ったもの」と「そのものの個性は絞られ、ヒトの個性を顕著にするもの」です。前者は言うなれば、ギャルソンやガリアーノのようなコレクションファッションや、アメリカ的雑貨など。もちろんこれらもヒトの個性と入り混じりますが、その前にまずそのものが強い個性を備えています。……だから極端に言えば、ヒトに個性がなくとも成立します。そして後者はドイツプロダクトや和風なもの(わびさびの感性なども)など。これらもそれなりにそのものの個性を持っていますが、けれど、ヒトの個性との入り混じり無くして、成立しえない個性だと思うのです。

 うーん、わけわからん。つまりは、ドイツプロダクトは、個人が使って、そのヒトの個性と合わさってこそ、秀でるもので、ただただそのモノだけで個性を判断するものではないと思うのです。中には奇抜なものもあれど。……ある意味、実用美というか機能美というか。ドイツプロダクトには関わるヒトの感性が、個性になる。それを受け止めるだけの器があると、僕は考えています。……日本的なものも近い印象ですが。だから、好き。わかりやすいモノも良いけれど、こういう「自分が分かろうとしないと分からないモノ」が好き。だから、人によってはドイツものは冷たく感じるし、あっさりしてるので個性を見出さない場合もあるのかなと。日本モノとしては奇妙な雰囲気を感じたり、クドさを覚えたりですね。……その個人的判断が、良い悪いかは別次元の問題として。

 とはいえ、言ってしまえば、好き嫌いの問題ですから、他人の判断まではとやかく言うつもりは全くありませんが……。とにかく、ドイツプロダクトをもっと使ったりして欲しいなと思うのです。冷たいとか無骨とか、あんまり卑下する前に。まぁ、文化の壁みたいなものを、頭から避けないようにってのは、どういうプロダクトでも同じことですけどね……アメリカでも北欧でもアジアでもアフリカでも。それが楽しい気がします。文化の壁を、できるだけ味方につけるというか……逆に壁を楽しむというか。良いですよ、そんなのも。

 話は長くなりましたが、森美のドイツ展は両方ともそれなりに楽しめると思うので、是非行って見てください。ところで、僕が何故これほど森美押しかというと、森美の会員になっちゃってるからなんですよね……なんで、年会費だけで普段はいっつもタダで見れるし、混んでるときも並ぶ必要ないし。その上、こういう企画もの大好きなもんで、森美によく行くわけです。何度も何度も。……もちろん、他の美術館も好きな企画なら行ってますけれど。

 さて、連日長文でしたが、実は書き足りません。ドイツ展についてもプロダクトについても、かーなり短く省略して想いを綴ってます、ブログですし。暇があったら、勝手に論文調で書こうと思います。まぁ、誰に発表するでもないので、僕の発散として。そういのも、実は好きで。さ、では今日もこれぐらいで。     circus

 

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