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2006年9月16日 (土)

アポリア

Dsc01697 僕はやっぱり、人ゴミと呼ばれる人が過飽和の状態は受けつけないようです。それがビジネスの延長としてならば、そりゃあ仕方無いですし平気であろうと、日常をそれで過ごしたいとは思えないのです。……ところで、ユニクロさんに過度な期待はいけませんでした。シアタープロダクツものはほぼ、見てガッカリ。かろうじて、ニットとロンTがマシでしたが、それでも思わず手が伸びるレベルではありませんでした。ま、価格が価格なんで、それを考えれば妥当ではあるのですが。

 今月も当然のように雑誌づくめですが、アルネも出ました。表紙が久々にすごい良い雰囲気―古いボタンですが、いいですね。こうして飾りとしてもいけます―を放っていたので、期待しながらの熟読。メイン特集がカウブックス、松浦弥太郎さんの移動古本屋ということも、ツボですし。……感想としては、タイトルのような感じです、アポリア。まさにこの言葉がシックリきます。

 今回のアルネは写真だけでなく、文字もすごく多くて、そういう構成は僕がとても好きな構成だったりするのですが、おいそれと手放しで好評価できません。……いや、もちろん一定レベル以上には面白いんですよ、少なくとも。

 記事としてはどれも結構興味深いモノが多いのです。カウブックスをはじめ、大貫さんのロングインタビュー、月光荘のスケッチブックもステキですし、ごはん特集は個人的にどツボです。あかね会のマフラーは素直に一枚欲しいと思いますし、他の恒例のクッキングなどの記事も悪くない……のですが……。そう、ですが……なのです。

 何か一冊としての総合的な印象や風合いが、落ち着きません。昔に比べ明らかに記事の種類も増え、記事の書き方としても成熟しているのは、確かです。それに、昔からの柔らかい質感や記事の温かさも、幾分のベクトル変更は感じられても、本質的には大差はない。……しかし、最近のアルネは総合体として何か強さ、突き抜ける良さが薄いのです。一つ一つの記事は、良いのにも関わらず、です。

 もしかしたら、僕がアルネそのものに慣れすぎたのか、とも考えました。でも、それは違う。僕は一冊一冊に対して、常に新鮮な気持ちで目を通します。二度目、三度目に読む際だって、そうするくらいです。もう一つ考えたのが、一冊の中での記事の幅が広がりすぎたのではないか、ということ。……あながちハズレでは無い気もしますが、昔だって幅が広いコトもあっただけに、なんとも確証は持てません。

 アポリアです。結局、それを打ち破るような納得できる思考は、未だに引き出せていません。それだけ、雑誌作りというのは、奥が深くて、なおかつ尋常でないほどに難しいということでしょう。……作るだけなら誰でも出来ますが、人の心を打ち、残り、その状況を維持することは並大抵ではない。ま、雑誌に限らずではありますけれど。

 なんだか酷評みたいになりましたが、それでもアルネは買いの雑誌です。薄いのに500円だし、紙も折れたりするし、それでも買いきりだから返品できない―あ、これは書店側の事情ですかね。この手の雑誌はえてしてそうなんですが、実際はどうなのでしょうか―けれど、まだまだ良質雑誌です。……僕も時々、雑誌作りっていうものを考えますが、これだけまともに良い雑誌を作るのはスゴイと思います。実際、費用とか記事構成とか考えると、メチャクチャに悩むし上手くいかないんですな、ええ。あはは、予想外に長くなっちゃいました(笑)。

 これほどで。煮えたぎるアート熱を、放出できないでいます。鑑賞するにしても、見たいモノを思い通りのペースで回れないし、自らの創造にしてもタイミングがズレズレ。……ひとまず落ち着いて、最も身近で最も出来うる、音楽や文学をじっくり見直せば良いのかもしれません。美術に関しては、とりあえずは二つを優先。我が尊敬の対象のダリ、そして人からの紹介の個展です。どちらも楽しみで仕方ありません。

 本日のカップ:タンザニア/ブラックバーン農園/コーヒー。もう、完全に新鮮さはありません。淹れ方でカバーしても、酸味の一定以上のコントロールが効かない範囲です。だもんで、すっごい珍しく途中から黒砂糖を入れて飲んだのですが……コーヒーに黒砂糖って良いですね。純粋にウマイ。今度は、新鮮な豆でも試してみようと思います。     circus

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コメント

シアタープロダクツのユニクロのやつ
同感です。
昨日街に出たついでに見に行ったのですが、写真で見てよさそうだと思っていた分、さらにガッカリ。
んぐー、と売り場でうなって帰ってきました。
値段が値段なんで、仕方ないことではありますが・・・

投稿: りやう | 2006年9月17日 (日) 00時14分

>りやうさん
写真のマジックはすごいですよねー、ホント。
僕も「こ、これは……ぅぬー」なんて悶えました。
サイなどの期待も若干薄れ、次のタラリスにも過度な期待はしません。
やはりデザインっていうのは、表層のカタチだけでなく、風合いや質感など多くのモノが絡まって成り立つのだなぁ、と思いました。
カタチだけ頑張っても、即魅力的ってわけにはいかないのですな、当たり前ですけれど。

投稿: circus | 2006年9月18日 (月) 00時03分

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