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2006年9月23日 (土)

パン・時計・蟻

Dsc01726 秋冬の重衣料ってそれなりにするじゃないですか、価格が。そして、少しずつの出費の予定と実際のすれ違いや差異といったものは、積もり積もると案外大きな差異になっていたりして……。全然当初の予定のように秋冬が動けていません。そんな時に狙っていたモノに限って、予想外の価格をふっかけられて、また悩んでしまったりもするものです……んむむ。

 突撃してきました。上野の森美術館にて本日より開催の、「ダリ回顧展」です。10時より開場だったのですが、僕が着いたのは9時45分。……既にかなりの並びが出来ていました。僕は当然、上野駅のところでサクッとチケットを買っておきましたが、チケットありの列もさることながら、チケット買いのための列がズラーっと。……チケットありの列で、僕はおそらく70人目くらいだったのではないでしょうか。開場直前には、チケット買い列が悲惨な状態の列になっておりました。

 んで、総じての感想。まずはとにかく、ダリは最高ですということ。そしてえーと、7割です。良い部分もあるし、そうでない部分も。はっきり言わせてもらうと、手放しの高評価は出来ません。と、いうのも、展示の総点数はなかなかあるものの、どうにもその選択が……。もちろん素晴らしく好みの作品も来ていたのですが、せっかくならばアレが見たかった、みたいなのがどうしてもあります。もとよりのダリ好きには、楽しめる反面、各々によって幾分の物足りなさがあるのは事実でしょう。……とはいえ、これだけ集めてくれるイベントもそうそうあるわけではないので、ありがたいし、面白いのも確かです。ダリをそれほど見たことが無い人なら、もの凄く刺激にはなるハズですし。行って、損ではありませんね。僕もあと2回は行きたい。

 展示の手法としては、悪くないと思いました。途中で映像モノもきちんと出してくれていましたし。そういう意味では、好評価です。それと、早い人数のうちから入場制限をかけてくれていたので、思いのほか自分の見たいように見ることも出来ました。当然、音などの面で落ち着きはしませんが、間近で見たいモノはしっかり見れましたし、長く見ていたいモノも全然止まっていられました。……その辺りの処理は、珍しく良かったです。

 さて、作品として注目すべきはそりゃあ多々あります。幾つか抜粋して、感想を。まず欠かせないのが「パン籠」でしょう。これは僕がダリの中でもかなり好きなテーマです。今回来ていたのは、僕の大好きな45年の「恥辱よりは死を!」でなく、26年のモノでしたが、それでも素晴らしかったです。もう、溜め息しか出ない。……ほとんどの人は、横目で素通り状態だったのが、不思議でなりません。他にもパンが登場する作品がありましたが、どれもやはりスゴイ。ダリにおいて、パンを忘れることは不可能でしょうね。

 「ミレー<晩鐘>の考古学的記憶の増大」もグッときます。「ミレーの<晩鐘>への賛歌」も楽しめましたし。賛歌のほうはカッコよすぎて、ヤバイですよ。ぜひとも注目して欲しいトコロ。そしてモンタギュー・ドーソンの作品を大胆にコラージュした「船」はとてもダリ的な気がしました。マストや海はそのままに、船の本体を女性の姿で表しています。……うーん、アッパレ。

 ダブルイメージや不可視的イメージを用いた作品も、それなりに集まっていました。有名なものもありましたが、個人的に好きだったのが「三世代 老年、青年、幼年」。特に幼年部が、妙にステキです。「幼年部はどこ?」と呟いている人もいましたが。また、他のダブルイメージなどの作品も、じっくり見てしまいます。どれも良いのですが、「ナルシスの変貌」や「果てしない謎」が見れないのは残念です。アレらは相当好きなんですけれども。

 ダリお得意の人やモノが溶けたような感じになってしまう作風も、幾つか見れて、あまりの変態的なイメージに、惹かれました。ダリの絶頂時の作品は、やはり変態的な面がありますよね。……これって、最大級の賛辞なわけです、はい。「生きている静物」もとても良かった。絶妙のバランスで、総ての浮遊位置が決められています。習作も一緒に見れるのもポイントです。……そして無条件に、理屈抜きに気に入ってしまったのが「3層に区切られたガウディ風女性の舌先の上に、カダケスの完全なイメージを吐き出すディオニュソス」です。えー、題が長すぎです(笑)。でも、コレはきてますよ。抽象画のようなニュアンスを用いて、美しくも乱雑な秩序の構成物が、しっかり描かれています。た、たまらんでした、ホント。

 んで、最大級に素晴らしかったのはガラの肖像画。自然と、胸がしめつけられました。ダリとガラの関係性は、尋常じゃないほどに、それは性別とかの問題でなく、強いことが伝わってきます。ま、ガラあってこそのダリだったわけですからね、生涯。

 あと、超有名なベーコンと自画像のアレとか、「記憶の固執の崩壊」とかは、まぁ当然良いです。なんで崩壊をあえてチョイスしたのかは謎ですが……きっと大人の事情ってのがあるんでしょうね。それと、映像はとりあえず全部見ましょう。大して長いモノではありませんが、ダリの面白さが垣間見れるのは確実です。……人によっては、怖いと思うってしまうかもしれませんけれど。

 図録はまぁまぁです。値段の割には装丁も含めて、それなりに上手くまとまっていると思います。さほど高くないので、まず買ってくださいね。後で見返すのもオツですから。ミュージアムショップはダメです、はい。もっとやりようあるだろ、とツッコミたくなりました。……ところで、こうして図録も見つつ思い返してみると、なんだかんだでやっぱり良かったよなぁ、と思えます。ダリってすげぇよなやっぱり、というか。僕の尊敬指数は上がる一方です(笑)。

 ということで、結論としてはまず「行って、見てみろ」ということです。それによってアンチだろうが、肯定だろうが、何かしらを感じてみてください。ダリこそ、そういう見方が一層楽しめる気がするので。1000円やそこらで見れるってのは、すごいコストパフォーマンスですしね。……次は、もっとゆっくり見れる平日を狙って行きます。そしたら大変です、きっと。出てくるまでに、めちゃくちゃ時間がかかったりして。

 うわぁ、連日長いですね、シメ。歌って良いものです。今日はちょっとワケあって、人前で自分の歌を歌ってきたのですが、好意的に聴いてくれて、笑顔で拍手をいただけるのは、やはり嬉しいです。高校一年の頃くらいから自分の歌を作っていますが、今現在あの頃の歌を見るとちと笑えます。でも、それはそれで良いんですよね、別に。

 本日のカップ:ハーゲンダッツ・ヘーゼルナッツ。んー、期待していたほどの美味しさは得られず。とはいえ、基のベースが美味しいわけなので、食べていて嫌な気持ちはしません。もうちょっと、甘くない方がウケルと思うんですがね、この味。     circus

 

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