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2006年10月 5日 (木)

興り亡ぶ歴史の生物

Photo_3 ニュースを見ていると、イロイロ面白いですよね、やっぱり。日本人は面白すぎる人種です。白だ黒だとはっきりすると「柔軟性、対応性、寛容性がない」と批判され、グレーを走ると「曖昧、優柔不断」という批判をされ、それぞれを両立すると「八方美人、偽善」と批判を受ける。……いやー、世間ってオモシロイ。ま、そういう姿勢で生活するほうが大衆とぶつからないし、トラブルにも巻き込まれにくいし、ラクに生きていけるでしょうね。僕はどちらかというと、思想とかの考えの面では逆の姿勢で生きたいですが。そういえば今日は、僕に近いスタンスでナイスコメントをかましたコメンテーターがいましたが、速攻で話題を逸らされてましたね(笑)。テレビニュースも人気商売ですから、仕方ないですけれども。言うなれば、ニュースもバラエティですわな、何気に。

 さ、前置きがやたら熱くなりましたが、本日は上目黒へ。ミヅマアートギャラリーにて行われている、池田学さんの個展「景色」を見てきました。人のススメによって訪れたわけですが……見に行って良かったなぁ、と感じます。

 小さなギャラリーとかの個展レベルになると、僕はあまり足を運びません、何かきっかけがないと。というのも、キリが無くなってしまうからです。足を運んで見たい、あわよくば将来的にはモチロン買ってみたいとか思うのは事実です。ですが、今それを本気でやってしまうと、他のコトが出来なくなりすぎます。ココも行って、アソコにも廻って次は……というリズムになってしまうので。とはいえ、やっぱり見ると楽しいし、勉強になりますわ(笑)。

 池田さんの絵は、ペンのみで書かれます。それがまず驚きとも言えますね。んで、もの凄く細かな絵を延々と書き広げ、最終的には2メートル近くの大物の絵に仕上げる。モノによってはそりゃ、もう少し小さいのもありますが。でっかいのは一年半とか二年とかの歳月をかけて、作品となるそうです。……気が遠くなる作業。僕にはまず、技術うんぬんを言う前に精神的に持ちません、きっと。

 今回の個展では、どでかい「興亡史」というのがメインで、そのテーマのごく小さい絵が他6つ、あとは中くらいの絵が2つといった展開。少ないながら、十分な存在感で僕を迎えてくれました。まずパッと見は、単純に「スゴイねぇ」のヒトコトです。……いや、マジで見ればそう思いますから。

 細部を見ていくと、もう本当に見ても見ても途切れません。異常にこまやかにディテールなので。それらが積み重なっていて、更に一定の塊でそこには物語のような形があり、また更に全体を通すと「まるで生物のような」動きや生命感、空気があります。あ、ちなみに、画像はほんのごくごく一部ですから。

 モチーフとしては、列車や滝、人、戦国や自然風景など。それらがバラバラ勝手に主張しすぎることなく、胸焼けしない間隔で散りばめられているのです。個人的に好きだったのは、木のまとわりつき方や、白で表現されている人、瓦をカエルの折り紙している様、色のグラデーションの感覚です。独特です、はい。……かなーり長い時間見ていたような気がします。実際、僕より全然後に入ってきた方よりも、これまた僕が相当後に出て行くといった具合でしたね。いや、見るポイントが尽きないんですよ、全然。

 どでかい絵の中に、どうやら「学」印があるらしいのですが、探せませんでした。小さい絵は分かりやすいんですけど。それを探しつつ見ていた、というのもあります。見つけた人、いるんですかねぇ……。僕はギブアップでした。

 分かりやすく近い雰囲気で行くと、当然ながら山口晃さんが挙がります。でも僕としては、山口さんのより大和的なソレよりも、池田さんのどことなく幻想的なソレのほうが魅かれます。山口さんの絵は、スゴイと思いつつもこれまで若干避けていた部分があるのです。ところが、池田さんの場合は、すぅっと受け入れることが出来ましたし。……結局は好みなんでしょうが(笑)。

 コレはぜひとも、見る時間、チャンスがあるなら見ておくべきです。良いとか悪いじゃなくて、学べます。人によって差はあれど、ある種の圧倒される感じもあると思いますしね。10月14日までなので、興味ある感じの方はお早めに。

 ちなみに絵以外にも、雑誌やスクラップなども少し置いてあったのですが、その中で僕に震えるほどステキな出会いが。2004年に描かれた「はなかまきり」という、花で構成されたカマキリの絵なんですが……最高です。絵そのものでなく単なる紹介プリントにも関わらず、見入ってしまいました。たまらんですよ。ソレに反応するのも、珍しいかもしれませんけれどね(笑)。

 あー、長いですねぇ。だって書くポイントが多すぎて、上手くまとめられないんですよ、短時間では。とりあえずこれくらいにしておきます。パンフレットが500円で販売されていました。ラストにあるティム・エヴァンスさんによる批評が良さげです。僕も知り合いに、美術評論家っぽい人がいますが、よく巧くまとめられるよなぁ……語彙も豊富だし、なんて感心します。……ま、僕がまだまだおバカさんってことですけれど。

 では。日テレで「花の料理人」って番組が、半年くらい前からやっているのですが、コレ大好きです。最近こそ、料理している場面中心になりましたが、初期の頃の料理人やパティシエなどの話は、非常に面白く参考になっていました。……今の感じも、それはそれで悪くないんですが、なんつっ亭さんが出過ぎです。都合がつけやすいんでしょうね、きっと。

 本日のカップ:グァテマラにコスタリカ/極深煎り/コーヒー。今日は気分が向いていたのか、自分の分も親の分も、何回か淹れました。極深煎りでも、きちんと豆の特色を出せていたので、概ね良い抽出でした。コーヒーうけはポッキーさんが担ってくれました。     circus

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